小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

螺旋館の殺人  折原一 著

  あらすじ

”世間をアッといわせる新作を久しぶりに発表すべく、山荘にこもって執筆を開始した老作家のもとに、作家志望の美貌の女性が、書き上げたばかりの自らの原稿を持って訪れる。すべての謎は、ここから始まった!奇妙極まる倒錯事件、そして殺人。精緻な多重トリックが冴える奇想天外な傑作長編ミステリー。”

 

The First Line

”――田宮竜之介氏に捧げる”

 

折原一著、『螺旋館の殺人』を読みました。

 

 

叙述トリックといえば折原一さん、ということで久しぶりに読んでみた。

正直叙述トリックが使われていることを前提として読んでいると、こちらとしてもどうしても構えるからハードルが上がりがちにはなってしまうところやけれど、この小説のトリックはそのハードル通りの高さ。決して高すぎず、けれど期待値を下回ることも決してない。

多重トリックそのもので、何重にもコーティングされているイメージ。一見わかりやすいけれど、それすら、、、最初の1行目を見落とさずに読めば、トリックを見破れるかも。でも無理かな。

この小説は何より構成を楽しむもの。内容ももちろん面白かったけれど、叙述トリックを存分に楽しんでもらいたい。

老人になっても、心躍る人生でありたい。

 

 

好み: ★★★★☆☆

 

螺旋館の殺人 (講談社文庫)

螺旋館の殺人 (講談社文庫)