小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

鍵のない夢を見る 辻村深月 著

あらすじ

“どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう?放火現場で再会したのは合コンで知り合った冴えない男。彼は私と再会するために火を?(「石蕗南地区の放火」)夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破滅(「芹葉大学の夢と殺人」)他、地方の町でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作。“

 

The First Line

〈仁志野町の泥棒 〉“生温かいバスの車内で、前に立った彼女の顔を見た時、「あ、りっちゃん」と思った。”

〈石蕗南地区の放火〉” 「不審火だって、不審火」

〈美弥谷団地の逃亡者〉 “「美衣。起きろよ、朝だぞ」

〈芹葉大学の夢と殺人〉”坂下先生が殺された、と聞いた時、私はすぐに、あなたの仕業ではないかと疑った。”

〈君本家の誘拐〉”手にとっていたヘアゴムを棚に戻し、ふっと横を見るとベビーカーがなかった。”

 

辻村深月著『鍵のない夢を見る』を読みました。

 

 

日常に近いところにあるミステリ。普段の電車とか街中とかで、隣の人がこんな経験持っていてもおかしくない。でもどこかフィクション要素も持っていて、ライトな緊迫感は常に感じた。

それぞれの物語の登場人物はどこかみんな異常で、特に〈芹葉大学の夢と殺人〉に関しては、少しぶっ飛んでる。でも、突拍子もない無謀な夢でも、夢を持ってそれに本気で向き合えるって素敵なことやなと思った。今の自分には欠けているもの。

 

 

好み: ★★☆☆☆☆

 

鍵のない夢を見る (文春文庫)

鍵のない夢を見る (文春文庫)