小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

ノクチルカ笑う 柴村仁 著

あらすじ

死体って、光るのかな。文化祭の準備中、お化け屋敷の人形を見て呟いた女子の一言を、沖津は聞き逃さなかった。人をつっつくこと、陥れることが趣味のイケメン沖津は、人形を作った美術部男子が光る死体の秘密を知っていると勘づく。美術部教師には卒業生の由良彼方が着任中。「由良シリーズ」待望の新作。

 

The First Line

ふっ。思わず笑いが漏れた。

 

芝村仁著『ノクチルカ笑う』を読みました。

 

以前『プシュケの涙』で由良シリーズにハマって、今回読んでみた。

今回も舞台は高校で、文化祭を目前に控えた生徒たちの様子が繊細に描かれてる。生徒たちのあどけなさや明るさと同時に、不気味さや緊迫感が混じっていて、学園祭前って少なからず自分もこんな感じやったかなと思い出してしみじみとしたり。

最初は高校生の心情を追うだけかと思ったけれど、結末がとてもゾッとした。個人的には。2人の高校生の明と暗が話の中心やけれど、その「暗」がなんとも言えない不気味さ。それには期待してていいと思う。

高校時代って、ほんとかけがえのない一瞬で、色んな感情が渦巻きつつも、それすらが輝いている。いいな。

高校時代に戻りたい。

 

 

好み:★★★★☆☆

 

ノクチルカ笑う (講談社文庫)

ノクチルカ笑う (講談社文庫)