小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

1973年のピンボール  村上春樹 著

 

1973年のピンボール (講談社文庫)

1973年のピンボール (講談社文庫)

 

 

あらすじ

”さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との〈僕〉の日々。女の温もりに沈む〈鼠〉の渇き。やがて来る1つの季節の終わり――デビュー作『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く3部作のうち、大いなる予感に満ちた第2弾。”

 

The First Line

”見知らぬ土地の話を聞くのが病的に好きだった。”

 

村上春樹著、「1973年のピンボール」を読みました。

 

 

前作からだいぶ時間が経って読んだけれど、〈僕〉と〈鼠〉のことはすぐに思い出せた。なんか、今回で少し村上春樹中毒の要因が少しだけわかった気がする。

全くもって単調な物語だから、好みはもちろんあると思う。もしこの小説が村上春樹さん以外の人が書いたら、それはもうつまらないものになるやろな。つまりは、村上春樹さんらしい小説で、僕はけっこう好き。

〈僕〉の家に突然双子が現れても卒なく暮らすような登場人物の心情これこそが、村上春樹さんの小説が惹きつけられる所以であると僕は思う。

ピンボールについての物語。おそらく、今後これに関する本を読むことはない。ピンボールが表していることこそが、この作品のテーマなんかな。僕は、「繰り返す機械的な日常とその打破」やと思う。すごく、共感できる。

僕もそろそろ今ある環境と決別して、次の一歩を踏むべきかな。

 

 

好み: ★★★★☆☆