小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

13階段  高野和明 著

 

13階段 (講談社文庫)

13階段 (講談社文庫)

 

 

あらすじ

”犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。”

 

The First Line

”死神は、午前九時にやって来る。”

 

高野和明著、「13階段」を読みました。

 

最初堅苦しいイメージあったけど、読んでみると意外と読みやすくてはまっていった。たった一行しかないp304、このページの破壊力はすさまじい。思わず「えっ」って声出た。でも、そこからが僕はいまいち満足していない。バタバタというかアクションチックな結末。もっとスマートに完結してほしかった。

死刑の重み、前科者が背負う重みを感じた。僕はどちらかと言うと死刑賛成派やけど、一概に言えないなと今回この小説読んで思った。ただ、人の命を奪っておいて自分の命を乞うのは少しお門違いに思う。

一方で、法の矛盾と曖昧さも感じずにはいられない。これは社会全体に言えることやけど、曖昧にしていることがあまりにも多すぎる。それでいて正義を振りがざそうだなんて勝手すぎる。きっちりしいの筋を意識する僕からすれば、住みにくい世の中。

 

 

好み :★★★★☆☆