小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

ターン  北村薫 著

 

ターン (新潮文庫)

ターン (新潮文庫)

 

 

あらすじ

”真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみながら目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。◀▶ターン。いつかは帰れるの?それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。”

 

The First Line

”君は、スケッチブックを開いて、八角時計をいくつも描いていた。”

 

北村薫著、「ターン」を読みました。

 

 

SFの要素に恋愛も含まれていて、今話題の「君の名は。」を思わせる小説。映画観てないから何とも言えんけれど。

人称が少し独特で、これが単純な一視点でないところが面白い。視点によって心情も移り変っていて、それこそがこの小説の核でありキーポイントやと僕は思った。

構成がすごく単純な起承転結やなと感じていたけれど、正直、結の結でもう少しはっきりしてほしかったかな。少し駆け足感あって、つながっていない感があって、そこが物足りなかった。

起きたら誰もいなくなって、しかも生活がターンされたら、自分ならどうなるやろ。ゴールが見えていたら楽しそうやけれど、永遠を感じさせられると絶望しかない。今日の次に明日があるからこそ毎日生き甲斐があるし、楽しい。

こんな状況になったら、電話だけで恋に落ちるやろうな。でも、それも真実か否か。

 

 

好み: ★★★☆☆☆