小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

強運の持ち主  瀬尾まいこ 著

 

強運の持ち主 (文春文庫)

強運の持ち主 (文春文庫)

 

 

あらすじ

”元OLが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。ショッピングセンターの片隅で、悩みを抱える人の背中を押す。父と母のどちらを選ぶべき?という小学生男子や、占いが何度外れても訪れる女子高生、物事のおしまいが見えるという青年……。じんわり優しく温かい著者の世界が詰まった一冊。”

 

The First Line

”「あなたはそう見えて、弱いところがあるでしょう?優しすぎるって言うか、いつでも自分のことを置いて、人のことを考えすぎてしまうのよね」”

 

瀬尾まいこ著、「強運の持ち主」を読みました。

 

 

瀬尾まいこさんの小説は読み終わると心が少しほっこりするから、良い。

占い師が悩みを聞くという設定で、正直小説すぎて現実味がないかなと最初は思っていたけれど、全然そんなことなくて、等身大な感じが共感できた。珍しく、ドラマ化されてそれを観ても面白いのではと思った。

彼氏のどことなく力の抜けた感じと、ルイーズ吉田のサバサバながらも温かさのある感じが、良いカップルやなと思うと同時に、この小説全体の優しさも作っている。こんなカップル、少し憧れるな。

占いっていろんな方法があって、中にはインチキ臭いのもあって明らかに信じられないものもあるけれど、本質は導くことであって背中を押すことであって、そこにしっかりと着目しているからこそ、主人公はあんな占いができるんやと思う。お金稼ぎのビジネス占いというイメージが少し覆った。

人それぞれ悩みはあって、でも案外みんなもう答えは持っているんやと思う。人に相談する理由は、背中を押してもらいたいから、ただそれだけ。

 

 

好み: ★★★★☆☆