小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

蹴りたい背中  綿矢りさ 著

 

蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中 (河出文庫)

 

 

あらすじ

”"この、もの哀しく丸まった、無防備な背中を蹴りたい"長谷川初実は、陸上部の高校1年生。ある日、オリチャンというモデルの熱狂的ファンであるにな川から、彼の部屋に招待されるが…クラスの余り者同士の奇妙な関係を描き、文学史上の事件となった127万部のベストセラー。史上最年少19歳での芥川賞受賞作。”

 

The First Line

”さびしさは鳴る。”

 

綿矢りさ著、「蹴りたい背中」を読みました。

 

 

気になっていた小説。200ページもないから、すぐ読み終わった。

この小説は、内容どうこうより、とても文学的やなと思った。思春期特有の繊細な心情、高校での疎外感など、それらの素材は付属に過ぎなくて、それを表現する文章を楽しむものなんかなと感じた。それだけに、文章はとても魅力的。

僕は高校時代、クラスで普通に楽しんでいて、大学生になって初めて気づく集団での孤立。孤立の立場になって初めてわかることやけれど、自分のペースで物事が動く一方でやっぱり哀しい。孤独。暇な時間はとてつもなく長くて、不安になる。閉鎖的な空間であればあるほど、孤立は目立つし、辛い。高校って華やかであると同時に残酷ですね。

あの、「適当に〇人グループ作って。」のときのドキッと感、生徒にしかわからんのやろな。あれは、どんな人でも緊張すると思う。先生方、あれはやめましょう。

 

 

好み: ★★★☆☆☆