小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

キケン 有川浩 著

あらすじ

“ごく一般的な工科大学である成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、略称【キケン】。部長・上野、副部長・大神の二人に率いられたこの集団は、日々繰り広げられる、人間の所行とは思えない事件、犯罪スレスレの実験や破壊的行為から、キケン=危険として周囲から忌み畏れられていた。これは、理系男子たちの爆発的熱量と共に駆け抜けた、その黄金時代を描く青春物語である。”

 

The First Line

“『学内一の快適空間【機械制御研究部】!エアコン・冷蔵庫・AV設備一式・仮眠用ロフトその他完備!君たちもクラブハウス一のこの快適空間を味わおう!』”

 

有川浩著『キケン』を読みました。

 

 

等身大のモラトリアムな感情が描かれる物語ではなくて、漫画みたいに明るく弾ける大学生の物語。どちらかと言うと前者の方が好きやけれど、この小説はただバカに弾けるそこらの大学生とはまた異なり、バカ真面目に明るく大学生活に励む大学生たちが主役で、読んでいてとても羨ましい気持ちになる。ここまで自分の好きなことにのめり込んでバカになれるなら、大学も悪くないなと思ったり。

理系のもっさい大学生ばかりやけれど、だからこそ純情でそこらのバカ文系大学生とは一線を引いてるあたり良い。

クレイジーな上野先輩と強面の大神先輩、そして後輩たちの関係は、上下関係として理想かも。

半年前まで一大学生だった身分で、世の大学生を敵に回すような発言をしてしまい、すみません。でも、本音です。

少々クレイジーで真面目な、 こんな大学生活を送りたかった。

 

 

好み: ★★★☆☆☆

 

キケン (新潮文庫)

キケン (新潮文庫)