思い出のとき修理します 4 谷瑞恵 著
あらすじ
不仲に思えた両親の絆、亡き妻への秘めた思い……時計店には今日も人々の「思い出」が持ち込まれる。そんな中、秀司が作ってくれているドレスウォッチの完成が近いと聞き、喜びとともに複雑な気持ちになる明里。秀司の元に、スイスの時計工房から手紙が届いているらしいからだ。ともに商店街で暮らす未来を夢見つつ、本当は秀司がスイスで修行を続けたいのではないかと悩み……。ついに完結!
The First Line
少女は社務所の軒下に座り込んでいた。
谷瑞恵著『思い出のとき修理します4』を読みました。
大好きなシリーズ完結編。このシリーズに初めて出会った時はその優しい余韻にしばらく浸っていて、街で時計店を見かける度に物語を思い出して、今回読んだ時その時の感情がよみがえってきた。いい余韻に包まれている。まだ読み続けたいと思える小説。
ただ、なぜか谷瑞恵さんの小説読んでると、情景描写がしにくい。
時計ってただ時を知らせるものではあるけれど、たとえ同じ時計でも持ち主それぞれの時は違っていて、時計一つ一つに物語があることにとても気付かされると同時に、自分自身の時計への想いもこのシリーズに出会ってから変わった。
明里と秀司みたいなカップルすごく憧れるし、この寂れた商店街の温かさもすごく憧れる。こんなとこ住めたら、心地よいやろな。
思い出の時を刻む時計を大切にしよう。ともに時を刻む相手を大切にしよう。
好み: ★★★★★☆