小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

ピンクとグレー 加藤シゲアキ 著

あらすじ

大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまうが……。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、切ない青春小説。

 

The First Line 

番組が始まる。

 

加藤シゲアキ著『ピンクとグレー』を読みました。

 

 

最初読み始めたときは、スタンド・バイ・ミーを真似たありきたりな青春小説かなと思って淡白に読んでたけれど、読み進めていくにつれてどんどん感情が押し寄せて、終いにはThe文学と言える余韻に読後浸ってた。

芸能界という自分には全く縁のない世界が舞台やからどこまでついていけるかなと少し心配ではあったけれど、とてもわかりやすくてまた等身大で、心に響くものが確かにあった。

芸能界って確かに煌びやかで華々しくて、憧れの対象とはなるけれど、その陰はとても深くて、色んなものを犠牲にするんやなと思うと、テレビ見る視点が少し変わりそう。それほど、影響受けた。芸能界にいる著者だからこそ書ける小説。

この友情は本物。こんな結末だからこそ表現できてるのかな。申し分なしの良作。

 

 

好み: ★★★★★☆

 

ピンクとグレー (角川文庫)

ピンクとグレー (角川文庫)