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小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

On The Beach  喜多嶋隆 著

あらすじ

”湘南、ハワイ、ロス……夏の風が吹き抜ける海辺の街で生まれた5つの愛の物語――。小学生の頃、塾の先生から教わったビートルズの曲を2人で口ずさんだ初恋の思い出を切なく綴る「あの日、『ペニーレイン』を歌ったね」、ひと夏だけ滞在した大学生との恋を明るく描いた「風を見ていたサバ」など、夏のカラッとした爽やかさの中に、ほろ苦さ、切なさが溢れるハート・ウォーミングな物語。大人のための書き下ろし恋愛小説集。”

 

The First Line

〈ノース・ショア・セレナーデ〉”「10フィートの波ですって」というマリアの声。”

〈風を見ていたサバ〉”「ほら、早くしないと、置いてっちゃうよ」”

〈敗戦投手に口づけを〉”「まあ、そんなに落ち込むなよ、アキラ」”

〈あの日、『ペニーレイン』を歌ったね〉”「生まれ育った町、ですか?……」と僕はききなおしていた。”

〈潮風のパスタ〉”店のドアが開いた。”

 

喜多嶋隆著『On The Beach』を読みました。

 

 

大人の大人による大人のための恋愛小説。

あらすじに書かれていることが全てかな。この小説を的確に表している。夏の爽やかさの中にほろ苦さや切なさがこれでもかと溢れている物語たち。

小説に海が背景にあるだけで劇的に描写がきれいになる。僕が海が好きになった理由の一つは以前喜多嶋隆さんの小説を読んだからで、その海のきれいさとそこで繰りひろげられる切ない恋愛との相性は無敵に近い。

「『ペニーレイン』を歌ったね」の切なさは、「秒速5センチメートル」に近い。初恋という最もピュアできれいな恋愛と、海の爽やかさは読んでいて心苦しくなるほどにキラキラとしていて、自分の初恋を思い出さざるを得なかった。

恋愛の物語は一人ひとり違って、全部良い。恋愛に少し疲れて、爽やかさが欲しいなと思ったらぜひ読むことをおすすめ。

ハワイ行きたいな。

 

 

好み: ★★★★★☆

 

On The Beach (角川文庫)

On The Beach (角川文庫)