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小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

最後の喫煙者  筒井康隆 著

あらすじ

"ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。健康ファシズムが暴走し、喫煙者が国家的弾圧を受けるようになっても、おれは喫い続ける。地上最後のスモーカーとなった小説家の闘い「最後の喫煙者」。究極のエロ・グロ・ナンセンスが炸裂するスプラッターコメディ「問題外科」。ツツイ中毒必至の自選爆笑傑作集第一弾。”

 
The First Line

〈急流〉”その異変がいつから起こりはじめたのか誰にもわからない。”

〈問題外科〉”「このあいだ柳沢教授の出した『制癌性抗生物質』だけど、あの本、高価いよなあ」広田がおれにいった。”

〈最後の喫煙者〉”国会議事堂の頂きにすわりこみ、周囲をとびまわる自衛隊ヘリからの催眠弾攻撃に悩まされながら、おれはここを先途と最後の煙草を喫いまくる。”

〈老境のターザン〉”「あーアあアあーあ、アあアあ」”

〈こぶ天才〉”虫である。”

ヤマザキ〉”信長が本能寺で死んだのは一五八二年六月二日、朝の六時頃だった。”

〈喪失の日〉”藁井勇は、その日もいつものように、出勤するなり会社の便所へ駆けつけた。”

〈平行世界〉”玄関のチャイムが鳴ったので、出て見るとおれが立っていた。”

〈万延元年のラグビー〉”水戸藩の脱士約二十人が、集合場所の愛宕山からおりて、外桜田までやってきたのは朝八時ごろである。”

 

筒井康隆著『最後の喫煙者』を読みました。

 

 

これほどまでに多種多様な物語を創り上げられるその才能に感服。すごいの一言。

爆笑というよりは、「世にも奇妙な物語」を思わす不思議で非現実ながらもどこか現実に起こりそうな、そんな物語たち。一つ一つが短いからどんどん読めるし、また一つ一つまったくテイストが異なるから飽きが来ない。次はどんな話かなと気になる。

この短編を映像化したらどんなになるやろうか。コントチックにもなればホラーチックにもなれそうで、人それぞれによって物語の捉え方が異なりそう。個人的には「奇妙」かな。

ツツイ中毒の実態が少し見えてきた。これははまりそう。

 

 

好み: ★★★★☆☆

 

最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集〈1〉 (新潮文庫)

最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集〈1〉 (新潮文庫)