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小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

そのときは彼によろしく  市川拓司 著

市川拓司

 あらすじ

”小さなアクアプラント・ショップを営むぼくの前に、ある夜、一人の美しい女性が現れる。店のドアに貼ってあったアルバイト募集のチラシを手にして――。採用を告げると彼女は言った。「私住むところがないの。ここに寝泊まりしてもいい?」出会うこと、好きになること、思いやること、思い続けること、そして、別れること……。この小説に書かれているのは、人間の持つ数多くの優しさと心の強さです。ミリオンセラー『いま、会いにゆきます』の著者による、最高のロマンチック・ファンタジー!”

 

The First Line

”彼はひどく風変わりな少年だった。”

 

市川拓司著、『そのときは彼によろしく』を読みました。

 

 

人生で出会うエッセンスすべてが詰まった小説。

はじめあらすじを読んだときは、正直くさい恋愛ものかなと思ってたけれど、そんな薄いものとは全然違った。読んでいて何か大切なことに気づかされる、また思いださせる、そんな濃さのある小説だった。

この小説に書かれているやさしさだったり相手を想い続づける強さだったりさえあれば、幸せな人生が送れると思う。この小説はだから幸せに満ち溢れている。お金では決して変えない、人間の幸せの真髄に触れたような感覚。

「あの世界」を持つ人間はそれだけで持たない人間よりは幸せだと思う。僕は確実に持っている。周りの人以上に。だから過去ばっかり見ている。「あの世界」の入口は当たるところにあるけれど、それに気づくのはその時が過ぎてからなんかな。そこがもどかしい。

いつまでも一つの恋をひきづるなんて女々しいって言われるかもしれないけれど、そんなこと決してない。一度想ってしまった事を忘れる方が残酷で非人間的。

自分の好きなことを成し遂げる信念、夢を持ち続ける魅力、人を想い続け待ち続ける強さ、過去を大事にする純粋さ、これらを肝に銘じてこれからも生きたい。

 

 

好み: ★★★★★★

 

そのときは彼によろしく (小学館文庫)

そのときは彼によろしく (小学館文庫)