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小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

69  村上龍 著

 

69 sixty nine (文春文庫)

69 sixty nine (文春文庫)

 

 

あらすじ

”1969年、東京大学は入試を中止した。ビートルズのメロディーが流れ、ローリング・ストーンズも最高のシングルを発表し、ヒッピーが愛と平和を訴えていた。僕は九州の西の端の、基地の町の高校三年生。その佐世保北高校がバリケード封鎖された。やったのは……。もちろん、僕とその仲間たち。無垢だけど、爆発しそうなエネルギーでいっぱいの、明るくキケンな青春小説。”

 

The First Line

”一九六九年、この年、東京大学は入試を中止した。”

 

村上龍著、「69」を読みました。

 

 

ここ最近、活動家が関係する小説に出会う頻度が高まっている。偶然です。

前々から気になっていた青春小説で、今回手にしてみた。なんやろ、楽しさは純粋さは伝わったけれど正直物足りない。大きいイベントに向けられたそのエネルギーとプロセスは存分に書かれているけれど、その発散場所である”祭”があまりにも不発すぎた。え、これで終わり?みたいな感じ。もっと詳細な心情や情景を見たかった。

この小説は著者の周りで起こったことの一部を元にしてあるそうで。だからかとてもリアル。この当時の田舎の高校の等身大の姿を見ることができた。とても素朴で、エネルギッシュで、東京を憧れていて。この姿は何かを忘れた現代の大人にとても染みるのでは。

方言がまぁ強い。これこそがこの小説の大きな特徴であって、著者の楽しさを証言している核と僕は思うけれども、読むのが大変。関西弁ならまだしも。

活動家という存在があまり注目されない時代に生まれたからか、正直実態をつかめていない。けれども、こんな僕でも一つわかることは、彼らは自分の信念を貫いているということ。それが正しくて正義かどうかは置いといて、そういう姿勢は真似してもいいのではと思う。周りの意見に同調する奴らよりはるかに人間。

 

 

好み: ★★☆☆☆☆