小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

そして二人だけになった  森博嗣 著

 

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)

 

 

あらすじ

”全長4000メートルの海峡大橋を支える巨大なコンクリート塊。その内部に造られた「バルブ」と呼ばれる閉鎖空間に科学者、医師、建築家など6名が集まった。プログラムの異常により、海水に囲まれて完全な密室と化した「バルブ」内で、次々と起こる殺人。残された盲目の天才科学者と彼のアシスタントの運命は……。反転する世界、衝撃の結末。知的企みに満ちた森ワールド、ここに顕現。”

 

The First Line

”僕は海が嫌いだ。”

 

森博嗣著、「そして二人だけになった」を読みました。

 

 

題名から惹かれた。ミステリーの傑作「そして誰もいなくなった」の要素を持ちつつ、森さんの理系要素もあって、さらには思いもよらない結末にたどり着いた。これはすごい。

ラスト100ページからが本番ってところかな。ミステリー要素のバルブでの出来事も読みごたえあったけれど、あくまで結末に向けての下ごしらえでしかなくて、早々にクライマックスがおとずれたときはついついあれ?と思ってしまった。最後の第10章で小説全体がひっくり返る。その衝撃たるや。

A海峡大橋ってあれやんな。そう思うと、何ともまぁスケールの大きいことやら。

2人の視点から書かれていて、それぞれ違った心理がまた緊張感を漂わせる。しっかり読んでいると、なぜ?と思う点はたしかにあった。でも、、、

理系独特な理論がいくつか紹介されていたけれど、どこか興味をもってしまう自分がいた。奥が深い。

 

 

好み: ★★★★★☆