小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

深夜特急  沢木耕太郎 著

 

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

 

 

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

 

 

深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)

深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)

 

 

深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)

深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)

 

 

深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

 

 

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

 

 

あらすじ

〈1〉”インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗り合いバスで行く――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪が、今始まった。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ!”
〈2〉”香港・マカオに別れを告げ、バンコクへと飛んだものの、どこをどう歩いても、バンコクの街も人々も、なぜか自分の中に響いてこない。〈私〉は香港で感じた熱気の再現を期待しながら、鉄道でマレー半島を南下し、一路シンガポールへと向かった。途中、ペナンで娼婦の館に滞在し、女たちの屈託ない陽気さに巻き込まれたり、シンガポールの街をぶらつくうちに、〈私〉はやっと気づいた。”
〈3〉”風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。そうやって〈私〉はやっとインドに辿り着いた。カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活を体験した。ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。そんな日々を過ごすうちに、〈私〉は自分の中の何かから、一つ、また一つと自由になっていった――。”
〈4〉”パキスタンの長距離バスは、凄まじかった。道の真ん中を猛スピードで突っ走ったり、対向車と肝試しのチキン・レースを展開する。そんなクレイジー・エクスプレスで、〈私〉はシルクロードを一路西へと向かった。カブールではヒッピー宿の客引きをしたり、テヘランではなつかしい人との再会を果たしたり。前へ前へと進むことに、〈私〉は快感のようなものを覚えはじめていた――。”
〈5〉”アンカラで〈私〉は一人のトルコ人女性を訪ね、東京から預かってきたものを渡すことができた。イスタンブールの街角では熊をけしかけられ、ギリシャの田舎町では路上ですれ違った男にパーティに誘われて――。ふと気がつくと、あまたの出会いと別れを繰り返した旅もいつのまにか〔壮年期〕にさしかかり、〈私〉は、旅をいつ、どのように終えればよいのか、考えるようになっていた――。”
〈6〉”イタリアからスペインへ回った〈私〉は、ポルトガルの果ての岬・ザグレスで、ようやく「旅の終わり」の汐どきを掴まえた。そしてパリで数週間を過ごしたあと、ロンドンに向かい、日本への電報を打ちに中央郵便局へと出かけたが—―。Being on the road――ひとつの旅の終りは、新しい旅の始まりなのかもしれない。旅を愛するすべての人々に贈る、旅のバイブル全6巻、ここに完結!”

 

The First Line

”ある朝、眼を覚ました時、これはもうぐずぐずしてはいられない、と思ってしまったのだ。”

 

沢木耕太郎著、「深夜特急」を読みました。

 

 

中学の頃お世話になった塾の先生に大学入学を報告しに行った4年前、この本を紹介された。紹介というより読むべきと推された。その時はミステリーばかり読んでいたからいずれ読もう程度に気を留めていたけれど、もっと早くに読んでおくべきやった。この小説は、間違いなく大学卒業までに読むべきもので、早ければ早いほど良い。

僕はこの本を読んでいる途中、KLからマラッカ経由でシンガポールをバスで旅した。一人旅が決まってから偶然この小説をみつけたから、本当に偶然。これも運命なんかな。

国語学部に所属する身であるから、留学を経験したり、海外に行ったりする経験はそこそこにあった。この本をそれらの経験前に読んでおけば、もっと密の濃いこってりした経験が得られたと思うと少し後悔する。でも、遅かれこの小説と出会えてよかったし、これからの参考になる。

この小説を追って思ったのは、元々憧れていたヨーロッパよりもアジア圏の方に魅力を感じてる自分がいるということ。アジアをもっと放浪したいという刺激になった。

流れに身を任せる、これができる時間って本当に幸せなことなんやなと感じた。スケジュールなんてくそくらえ。そんな感覚も大切。そして、人生何とかなる。

 

 

好み: ★★★★★☆