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小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

母性  湊かなえ 著

 

母性 (新潮文庫)

母性 (新潮文庫)

 

 

あらすじ

”女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。”

 

The First Line

”10月20日午前6時ごろ、Y県Y市**町の県営住宅の中庭で、市内の県立高校に通う女子生徒(17)が倒れているのを、母親が見つけ、警察に通報した。”

 

湊かなえ著、「母性」を読みました。

 

 

意図されていたのか、見事にはまった。まさかの結末。「母性について」の場面が最後に効いてくる。

湊かなえさんの小説は、読んだ後にいつもどろどろとした余韻に襲われる。それが作風で、その現実味のあるミステリー感が魅かれる。

母と娘の関係の複雑さ。「母」と「娘」という役はあるものの、一人の人間であることを忘れてはいけなくて、子どもはけっして親の作品ではない。こうなってほしいという思いはあっても、それを強要し解釈し、自分本位になってしまうから歪む。

「母性」は元々みんなに備わっているものではなくて、育てていくうえで備わるものでもある。僕自身親ではないからなんとも言えない感覚ではあるけれど、ここにエゴは存在してもいいのか。いい気もするし、悪い気もする。

愛することって複雑で難しいですね。僕は愛を受けていると思うけれど、反面言い切れない自分もいる。

姑があんなにいびるのは、嫉妬からなんかな。理由はなんであれ、是非とも寛容になってほしい。あんなん、奴隷と大差ない。

 

 

好み: ★★★★☆☆