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小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

回転木馬のデッド・ヒート  村上春樹 著

 

回転木馬のデッド・ヒート

回転木馬のデッド・ヒート

 

 

あらすじ

”現代の奇妙な空間ー都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、そこはメリー・ゴーラウンド。人は、メリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人……、さまざまな人間像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか?”

 

The First Line

”ここに収められた文章を小説と呼ぶことについて、僕にはいささかの抵抗がある。”

 

村上春樹著、「回転木馬のデッド・ヒート」を読みました。

 

 

ノンフィクションでありノンフィクションではない。小説でありながらもただのスケッチでもある。とても不思議で、今までにない小説。

日々生きている人間の模様をただ文章にしたという村上春樹さんのスケッチ、まさにスケッチという表現が的確で、何も盛られていなくて、現実そのもの。そこに大したドラマもなければオチもないのに、なぜか一つ一つの話が面白い。

それぞれの話は、正直記憶に残らないほどに印象がなくて、それほどまでに平凡。読後に思わずタイトル見ながら内容を思い出す作業をしたぐらい。でも、小説として魅力的で、村上春樹さんらしい描き方だなと感じた。

僕は、この本のなかでは自分に似た人は見つけられなかった。僕が9番目の主人公になりうるのかな。でもこれはあながち間違っていなくて、日々の平凡な日常の連続こそが物語の真髄となっていて、それを切り取ったものが小説に過ぎないとも考えられる。

半年後から東京で起こる僕の平凡な物語は、どのようになるんでしょうか。

アメリカ人の太った女がソルトレイクシティに住んでいたとの会話を読んで、勝手ながら親近感を感じた。

 

 

好み: ★★★★☆☆