小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

塩の街  有川浩 著

 

塩の街 (角川文庫)

塩の街 (角川文庫)

 

 

あらすじ

”塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが――「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。『空の中』『海の底』と並ぶ3部作の第1作にして、有川浩のデビュー作!”

 

The First Line

”両肩にリュックの肩紐がきつく食い込む。”

 

有川浩著、「塩の街」を読みました。

 

 

これほどまで様々な要素を含んだ小説なかなかないと思う。たしかにSFではあるけれど、それ以上の人間模様にとても感動した。読後、良い小説読んだなっていう充実感に満たされた。

死別、恐怖、安心、恋、愛、絆、、、挙げるときりがないほど、この小説には感情が盛り込まれている。この小説をSFととらえるか恋愛ととらえるかは、あなた次第。

秋庭さんの人間性、これは男性として見習わなあかん。ツンデレやけれど、心からぶつかる姿勢はすごく人間的で、そして優しい。

恋って、今この瞬間にももちろん存在しているけれど、秋庭と真奈ほどのものってほとんどないと思う。災害が絆を強くするとは言い切らんけれど、それでもいろんな障害を乗り越えた関係こそ真のカップルなんかも。こんなん見せられると、周りの恋愛が薄っぺらく見える。これは、普通の人間関係においても然り。

もし、突如災害に見舞われたら、、、考えること大切ですね。僕はまず誰のことを一番に気に掛けるだろうか。

 

 

好み: ★★★★★★