小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

夏を拾いに  森浩美 著

 

夏を拾いに (双葉文庫)

夏を拾いに (双葉文庫)

 

 

あらすじ

”昭和46年、関東北部。40年前の少年が持っていた"ワクワク"を、父が回想して息子に語り継ぐ物語。「お父さんがお前と同じ奨学5年生のとき、3人の友だちと町の不発弾探しをしてな……」。世の中の急速な移ろいの中で、大人にさしかかって、成長した夏。「いつか僕なりのスタンド・バイ・ミーを書きたかった」(著者あとがき)。宝物のような友情、家族の絆。現代人が原点に立ち返る共有装置を込めた、ノスタルジック感動長編。”

 

The First Line

”山手線を渋谷で降り、井の頭線の改札へと向かう。”

 

森浩美著、「夏を拾いに」を読みました。

 

 

小学生あるあるを詰め込んだ、典型的なノスタルジック小説。意識してる子にあえてつっかかる心理、夏休みの宿題、校長の長い話など…。どれも身に覚えのある経験だからこそ感じる郷愁。

すごく直接的なノスタルジーで、小説読んだあとの間接的な余韻には欠けるかな。映像見て、事実を確認しているみたい。セリフも若干くさい。

僕も小学校時代は全力で遊んだ派やからこのエピソードの楽しさがわかるし、いかに大切な経験となるか痛いほどよくわかる。お父さんが過去の出来事を息子に語る思い、共感できるな。僕も将来そんな少しうるさい父親になってそう。

最近の子でも外で遊んでいる子はいっぱいいるし実際見かけると微笑ましく思うけど、大人がそれを奪っているのが現代。公園を封鎖されてるのをたまに見かけるけど、ほんと悲しくなる。自分たちだって遊んで、そこから多くのこと学んだはずなのに、自分のエゴで子供たちが危ないからといって遊び場を奪うのは間違ってる。実際声に出して奪っている親は、子供のころ遊んだ経験がないんやろな。でもこの決して多数でない声を受け入れざるを得ないのが現代の社会。嫌になる。

 

 

好み: ★★★☆☆☆