小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

重力ピエロ  伊坂幸太郎 著

 

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

 

 

あらすじ

”兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。”

 

The First Line

”春が二階から落ちてきた。”

 

伊坂幸太郎著、「重力ピエロ」を読みました。

 

 

伊坂さんの小説はとにかく読みやすい。特に大きな山はなかったけど、それでも面白かった。放火の犯人は中盤で早くも目星がついたけど、その動機は感動的で納得。春は優しい。

家族の在り方を少し考えさせられる。いくら遺伝子的につながっていても、絆に勝てない場合もある。逆に言うと、遺伝子的につながっていなくても家族は成り立つ。こんな強い家族に憧れるな。

僕が父親として同じ境遇に直面した場合、僕やったら産もうとはなかなか決断できないな。相当強い心と乗り越える決意が必要やけど、僕には耐えられないと思う。

倫理的、道徳的にあかんもんはあかん。ただ、その定義がそもそも難しい。法律は絶対ではないし、それを振りかざすのはある意味一番の恐怖。でも、とにかく放火と人殺しはあかん。

 

 

好み :★★★☆☆☆