百瀬、こっちを向いて。 中田永一 著
あらすじ
”「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは――。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった……!」恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。”
The First Line
”大学卒業をひかえて、少しの間、故郷へもどることにした。”
”1976年、日本脳神経外科学会はつぎの六項目をみたす状態が三ヶ月以上にわたってつづいている患者を遷延性意識障害者と定義した。”
”国語の授業で、本田先生が『はつ恋』というロシアの小説を紹介した。”
”クラスメイトの山本寛太が、いつものようにほかの男子とふざけていて、昼食をとっているわたしたちのグループにつっこんできたところから話ははじまる。”
中田永一著、「百瀬、こっちを向いて。」を読みました。
普段はあまり日に当たっていない恋愛のお話。
あらすじが少し誇張しすぎかなと感じた。たしかに切なかったけど、少しリアリティから離れていて共感できるとまではいかんかった。結末=ハッピーエンドやなくて、その先を読ませる感じはいい余韻を与えてくれたかな。
人間レベルが低いからこそ純粋で、また恋の苦しみを知った時の甘くもつらい心情が可愛らしい。活発な生徒より明らかに恋愛から遠い場所にいる彼らのもがき方って、しんどいけどよっぽど人間らしい。
恋っていつどこで芽生えるかわからんところがまた面白い。学校での何気ないきっかけで始まる純粋な恋愛、懐かしいですね。
僕は人間レベルどれぐらいやろか。2以上ではありたい。
好み :★★☆☆☆☆