小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

GO  金城一紀 著

 

GO (角川文庫)

GO (角川文庫)

 

 

あらすじ

”僕は何者?日本で生まれ、日本で育ったけれど、僕は「在日」と呼ばれる。元ボクサーのオヤジに鍛えられ、これまで喧嘩二十三戦無敗。ある日僕は恋に落ちた。彼女はムチャクチャ可愛らしい「日本人」だった――。軽快なテンポとさわやかな筆致で差別や国境を一蹴りする、感動の青春恋愛小説。”

 

The First Line

"「ハワイか……」”

 

金城一紀著、「GO」を読みました。

 

 

一味違った恋事情、友達事情。爽やかでありながらも、どこかやるせない気持ちになる。

「在日」というレッテルについて初めてこんなに触れた。昨今は外国人観光客が多いからか、日本外っていうものに対して抵抗がまだ薄れている気はするけど、この事実は今もなお続いていると思う。何をもって相手のアイデンティティを位置づけるのか。一人の人間を「人間」として多様に受け入れるができれば、差別は存在しなくなるのではないか。それはわかっていても、受け入れられずに自分と違うものを避けるのが人間。

国籍にとらわれないって考え方、僕は好きだな。こんな考え方ができるのは、マイノリティな立場に置かれた人こそができること。素敵。でも、僕が主張したところで何の説得力もない。

ただ、暴力はいかん。

 

 

好み :★★★☆☆☆