小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

七瀬ふたたび  筒井康隆 著

あらすじ ”生まれながらに人の心を読むことができる超能力者、美しきテレパス火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事をやめ、旅に出る。その夜汽車の中で、生まれてはじめて、同じテレパシーの能力を持った子供ノリオと出会う。そ…

星降り山荘の殺人  倉知淳 著

あらすじ ”雪に閉ざされた山荘。ある夜、そこに集められたUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など、一癖も二癖もある人物たち。交通が遮断され、電気も電話も通じていない陸の孤島で次々と起きる殺人事件……。果たして犯人は誰なのか⁉あくまで…

On The Beach  喜多嶋隆 著

あらすじ ”湘南、ハワイ、ロス……夏の風が吹き抜ける海辺の街で生まれた5つの愛の物語――。小学生の頃、塾の先生から教わったビートルズの曲を2人で口ずさんだ初恋の思い出を切なく綴る「あの日、『ペニーレイン』を歌ったね」、ひと夏だけ滞在した大学生との…

キップをなくして  池澤夏樹 著

あらすじ ”改札から出ようとして気が付いた。ないない、キップがない!「キップをなくしたら駅から出られないんだよ」。どうしよう、もう帰れないのかな。キップのない子供たちと、東京駅で暮らすことになったイタル。気がかりはミンちゃん。「なんでご飯を…

哀しい予感  吉本ばなな 著

あらすじ ”幸せな四人家族の長女として、何不自由なく育った弥生。ただ一つだけ欠けているのは、幼い頃の記憶。心の奥底に光る「真実」に導かれるようにして、おばのゆきのの家にやってきた。弥生には、なぜか昔からおばの気持ちがわかるのだった。そこで見…

悪党たちは千里を走る  貫井徳郎 著

あらすじ ”しょぼい仕事で日々を暮らすお人好しの詐欺師コンビ、高杉と園部。ひょんなことから切れ者の美人同業者とチームを組むはめになり、三人で一世一代の大仕事に挑戦する。それは誰も傷つかない、とても人道的な犯罪計画だった。準備万端、すべての仕…

山越くんの貧乏叙事詩  芦原すなお 著

あらすじ ”朋輩との切磋琢磨(麻雀)や日課(居酒屋通い、たまに庭の蛙観察)にいそしむ山越只明くん、二十歳。妙なバイトに借り出され、偏屈な教授の弟子にされつつ、毎日はおおむね愉快に、時折切なく過ぎてゆく。直木賞作家が贈る、昭和のぐうたら大学生…

オロロ畑でつかまえて  荻原浩 著

あらすじ ”人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛群牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグに…

最後の喫煙者  筒井康隆 著

あらすじ "ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。健康ファシズムが暴走し、喫煙者が国家的弾圧を受けるようになっても、おれは喫い続ける。地上最後のスモーカーとなった小説家の闘い「最…

陽気なギャングが地球を回す  伊坂幸太郎 著

あらすじ ”嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還…

殺人鬼フジコの衝動  真梨幸子 著

あらすじ ”一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして新たな人生を歩み始めた十一歳の少女。だが彼女の人生はいつしか狂い始めた。「人生は、薔薇色のお菓子のよう」。呟きながら、またひとり彼女は殺す。何がいたいけな少女を伝説の殺人鬼にしてしまったの…

黄色い目の魚  佐藤多佳子 著

あらすじ ”海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。友情でもなく恋愛でもない…

地下鉄に乗って  浅田次郎 著

あらすじ ”永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された”過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ち…

恋愛寫眞 もう一つの物語  市川拓司 著

あらすじ ”カメラマン志望の大学生・瀬川誠人は、嘘つきでとても謎めいた女の子・里中静流と知り合う。誠人はかなりの奥手だったが、静流とは自然にうちとける。そして静流は誠人に写真を習うようになる。やがて誠人は静流に思いを告げられるが、誠人にはず…

ルーズヴェルト・ゲーム  池井戸潤 著

あらすじ ”大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。リストラが始まり、歴史ある野球部の存続を疑問視する声が上がる。かつての名門チームも、今やエース不在で崩壊寸前。廃部にすればコストは浮くが—―それぞれの人生とプライドをか…

夏のバスプール  畑野智美 著

あらすじ ”夏休み直前の登校中、高校一年生の涼太は女の子にトマトを投げつけられる。その女の子・久野ちゃんが気になるが、仙台からきた彼女には複雑な事情があるらしい上、涼太と因縁のある野球部の西澤と付き合っているという噂。一方、元カノは湿っぽい…

黄昏の百合の骨  恩田陸 著

あらすじ ”強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。奇妙な遺言に導かれてやってきた高校生の理瀬を迎えたのは、優雅に暮らす美貌の叔母二人。因縁に満ちた屋敷で何があったのか。「魔女の家」と呼ばれる由来を探るうち、周囲で毒殺や失踪など不…

プリズム  百田尚樹 著

あらすじ ”ある資産家の家に家庭教師として通う聡子。彼女の前に屋敷の離れに住む青年が現れる。ときに荒々しく怒鳴りつけ、ときに馴れ馴れしくキスを迫り、ときに紳士的に振る舞う態度に困惑しながらも、聡子は彼に惹かれていく。しかしある時、彼は衝撃の…

御手洗潔の挨拶  島田荘司 著

あらすじ ”嵐の夜、マンションの十一階から姿を消した男が、十三分後、走る電車に飛びこんで死ぬ。しかし全力疾走しても辿りつけない距離で、その首には絞殺の痕もついていた。男は殺されるために謎の移動をしたのか?奇想天外とみえるトリックを秘めた四つ…

そのときは彼によろしく  市川拓司 著

あらすじ ”小さなアクアプラント・ショップを営むぼくの前に、ある夜、一人の美しい女性が現れる。店のドアに貼ってあったアルバイト募集のチラシを手にして――。採用を告げると彼女は言った。「私住むところがないの。ここに寝泊まりしてもいい?」出会うこ…

失はれる物語  乙一 著

あらすじ ”目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人と…

ツナグ  辻村深月 著

あらすじ ”一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと…

硝子のハンマー  貴志祐介 著

あらすじ ”日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には防弾ガラス。オフィスには厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、…

レインツリーの国  有川浩 著

あらすじ きっかけは1冊の本。かつて読んだ、忘れられない小説の感想を検索した信行は、「レインツリーの国」というブログにたどり着く。管理人は「ひとみ」。思わず送ったメールに返事があり、ふたりの交流が始まった。心の通ったやりとりを重ねるうち、信…

螺旋館の殺人  折原一 著

あらすじ ”世間をアッといわせる新作を久しぶりに発表すべく、山荘にこもって執筆を開始した老作家のもとに、作家志望の美貌の女性が、書き上げたばかりの自らの原稿を持って訪れる。すべての謎は、ここから始まった!奇妙極まる倒錯事件、そして殺人。精緻…

いつまでも記憶に残るおすすめ小説16選 in 2016

はじめまして。読書が好きな大学生です。大学生という膨大な時間の中、日々小説の世界に飛び込んでいます。 昨年は100冊以上の小説と出会い、今までで一番多くの物語に触れることができた年となりました。 そんな僕が今回、昨年読んだ100冊以上の小説の中か…

終末のフール  伊坂幸太郎 著

終末のフール (集英社文庫) 作者: 伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2009/06/26 メディア: 文庫 購入: 12人 クリック: 75回 この商品を含むブログ (343件) を見る あらすじ ”八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過…

頼子のために  法月綸太郎 著

頼子のために (講談社文庫) 作者: 法月綸太郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1993/05/06 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 28回 この商品を含むブログ (71件) を見る あらすじ ”「頼子が死んだ」。十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔殺人で片づけよ…

69  村上龍 著

69 sixty nine (文春文庫) 作者: 村上龍 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2007/08 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 60回 この商品を含むブログ (37件) を見る あらすじ ”1969年、東京大学は入試を中止した。ビートルズのメロディーが流れ、ローリング…

マーチ博士の四人の息子  ブリジット・オベール 著

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM) 作者: ブリジットオベール,Brigitte Aubert,堀茂樹,藤本優子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1997/02 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 18回 この商品を含むブログ (24件) を見る あらすじ ”医者のマーチ博…