小説の浮かぶ空

日々読んでいく小説の感想を自由気ままに綴っていきます。

鍵のない夢を見る 辻村深月 著

あらすじ “どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう?放火現場で再会したのは合コンで知り合った冴えない男。彼は私と再会するために火を?(「石蕗南地区の放火」)夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破滅(「芹葉大学の夢と殺人」)他、…

インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 真梨幸子 著

あらすじ “一本の電話に月刊グローブ編集部は騒然となった。男女数名を凄絶なリンチの末に殺した罪で起訴されるも無罪判決を勝ち取った下田健太。その母・茂子が独占取材を応じるという。茂子は稀代の殺人鬼として死刑となったフジコの育ての親でもあった。…

公開処刑人森のくまさん 堀内公太郎 著

あらすじ “公開処刑人「森のくまさん」。犯行声明をネットに公表する連続殺人鬼だ。捜査本部は血眼で犯人を追うが、それを嘲笑うかのように惨殺は繰り返され、世間は騒然となる。殺されたのはレイプ常習犯やいじめを助長する鬼畜教師など、指弾されても仕方…

国道沿いのファミレス 畑野智美 著

あらすじ 佐藤善幸、外食チェーンの正社員。身に覚えのない女性問題が原因で左遷された先は、6年半一度も帰っていなかった故郷の町にある店舗だった。淡々と過ごそうとする善幸だが、癖のある同僚たち、女にだらしない父親、恋人の過去、親友の結婚問題など…

黄金色の祈り 西澤保彦 著

あらすじ 他人の目を気にし、人をうらやみ、成功することばかり考えている「僕」は、高校卒業後、アメリカの大学に留学するが、いつしか社会から脱落していく。しかし、人生における一発逆転を狙って、ついに小説家デビュー。かつての級友の死を題材に小説を…

キケン 有川浩 著

あらすじ “ごく一般的な工科大学である成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、略称【キケン】。部長・上野、副部長・大神の二人に率いられたこの集団は、日々繰り広げられる、人間の所行とは思えない事件、犯罪スレスレの実験や破壊的行為から、キ…

噂 萩原浩 著

あらすじ ”「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略…

女のいない男たち 村上春樹 著

あらすじ 〈これらを書いている間、僕はビートルズ「サージェント・ペパーズ」やビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」のことを緩く念頭に置いていた。 〉と、著者が「まえがき」で記すように、これは緊密に組み立てられ、それぞれの作品同士が響きあう短…

マリオネットの罠 赤川次郎 著

あらすじ ””私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。その通りかもしれない”……森の館に幽閉された美少女と、大都会の空白に起こる連続殺人事件の関係は?錯綜する人間の欲望と、息もつかせぬストーリー展開…

四畳半王国見聞録 森見登美彦 著

あらすじ ”「ついに証明した!俺にはやはり恋人がいた!」。二年間の悪戦苦闘の末、数学氏はそう叫んだ。果たして、運命の女性の実在を数式で導き出せるのか(「大日本凡人會」)。水玉ブリーフの男、モザイク先輩、凹氏、マンドリン辻説法、見渡すかぎり阿保…

蝉しぐれ 藤沢周平 著

あらすじ 朝、川のほとりで蛇に咬まれた隣家の娘をすくう場面からはじまるこの物語、舞台は藤沢読者になじみ深い海坂藩である。清流と木立に囲まれた城下組屋敷。淡い恋、友情、そして悲運と忍苦。ひとりの少年藩士が成長してゆく姿をゆたかな光の中で描いた…

ノクチルカ笑う 柴村仁 著

あらすじ 死体って、光るのかな。文化祭の準備中、お化け屋敷の人形を見て呟いた女子の一言を、沖津は聞き逃さなかった。人をつっつくこと、陥れることが趣味のイケメン沖津は、人形を作った美術部男子が光る死体の秘密を知っていると勘づく。美術部教師には…

ジェノサイド 高野和明 著

あらすじ 〈上〉イラクで戦うアメリカ人傭兵と、日本で薬学を専攻する大学院生。まったく無関係だった二人の運命が交錯する時、全世界を舞台にした大冒険の幕が開く。アメリカの情報機関が察知した人類絶滅の危機とは何か。そして合衆国大統領が発動させた機…

思い出のとき修理します 4 谷瑞恵 著

あらすじ 不仲に思えた両親の絆、亡き妻への秘めた思い……時計店には今日も人々の「思い出」が持ち込まれる。そんな中、秀司が作ってくれているドレスウォッチの完成が近いと聞き、喜びとともに複雑な気持ちになる明里。秀司の元に、スイスの時計工房から手紙…

夜宵 柴村仁 著

あらすじ 日が暮れてから湖の小島にひっそりと立つ細蟹の市。国宝級のお宝、非合法なもの、生き死にの区別なく人間さえ売られ、お面をつけた異形の者が跋扈する。その異世界に迷い込んだ記憶喪失の少年カンナは市守りのサザに助けられる。自分は果たして何者…

仮面病棟 知念実希人 著

あらすじ 療養型病院に強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。事件に巻き込まれた外科医・速水秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知るーー。閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。そして迎える衝撃の結末とは。現…

六の宮の姫君 北村薫 著

あらすじ ”最終学年を迎えた《私》は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げてく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。《あれは玉突きだね。………

銀行仕置人 池井戸潤 著

あらすじ 通称"座敷牢"。関東シティ銀行・人事部付、黒部一石の現在の職場だ。五百億円もの巨額融資が焦げ付き、黒部はその責任を一身に負わされた格好で、エリートコースから外された。やがて黒部は、自分を罠に嵌めた一派の存在と、その陰謀に気付く。嘆い…

屋上のテロリスト 知念実希人 著

あらすじ 一九四五年八月十五日、ポツダム宣言を受諾しなかった日本はその後、東西に分断された。そして七十数年後の今。「バイトする気ない?」学校の屋上で出会った不思議な少女・沙希の誘いに応え契約を結んだ彰人は、少女の仕組んだ壮大なテロ計画に巻き…

ピンクとグレー 加藤シゲアキ 著

あらすじ 大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダム…

家族八景 筒井康隆 著

あらすじ ”幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬ーー彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。人間心理の深層に容赦なく光を当て、平…

植物図鑑 有川浩 著

あらすじ お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みません。躾のできたよい子ですーー。思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所て「狩り」す…

異邦の騎士 島田荘司 著

あらすじ ”失われた過去の記憶が浮かび上がるにつれ、男はその断片的”事実”に戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺した男なのか?そしていま若い女との幸せな生活にしのび寄る新たな魔の手。記憶喪失の男を翻弄する怪事の背景は?蟻地獄にも似た罠から男は…

ぼくらは夜にしか会わなかった 市川拓司 著

あらすじ 天文台の赤道儀室で「幽霊」を見たと言う早川美沙子と、ぼくら級友は夜の雑木林へ出かけた。だが「幽霊」は現れなかった。彼女は目立ちたがり屋の嘘つきだと言われ、学校で浮いてしまう。怯えながらぎこちなく微笑む彼女に、心の底から笑ってほしく…

生ける屍の死  山口雅也 著

あらすじ ”ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った!この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか?自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパ…

窓の魚  西加奈子 著

あらすじ ”温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一…

クラインの壺  岡嶋二人 著

あらすじ ”200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーとして仮想現実の世界に入り込む。不…

プシュケの涙  柴村仁 著

あらすじ ”夏休み、補習中の教室の窓の外を女子生徒が落下していった。自殺として少女の死がひそかに葬られようとしていたとき、目撃者の男子たちに真相を問い詰めたのは少女と同じ美術部の男子・由良だった。絵を描きかけのまま彼女が死ぬはずがない。平凡…

カクレカラクリ  森博嗣 著

あらすじ ”郡司朋成と栗城洋輔は、同じ大学に通う真知花梨とともに鈴鳴村を訪れた。彼らを待ち受けていたのは奇妙な伝説だった。天才絡繰り師、磯貝機九朗は、明治維新から間もない頃、120年後に作動するという絡繰りを密かに作り、村のどこかに隠した。言い…

白いへび眠る島  三浦しをん 著

あらすじ ”高校最後の夏、悟史が久しぶりに帰省したのは、今も因習が残る拝島だった。十三年ぶりの大祭をひかえ高揚する空気の中、悟史は大人たちの噂を耳にする。言うのもはばかれる怪物『あれ』が出た、と。不思議な胸のざわめきを覚えながら、悟史は「持…